ちょっと変わった翡翠のはなし
僕が作品に使用している素材、『翡翠』についていろいろお話しします。
今回はちょっと変わった翡翠を紹介します。気になるモノがあれば随時更新していきます。
圧砕翡翠
「圧砕翡翠」は、地下深くにできた翡翠原石が圧力で砕かれて、できた隙間に角閃石が埋まった状態で生成、後に地表に出て角閃石部分が摩耗したことにより、このような凹凸のある転石が形成されるようです。
「圧砕翡翠」の内部にも角閃石が存在すると思われるので、圧砕した翡翠と角閃石の集合は素材としてはユニークですが、『翡翠』をベースに考えると、不純物である角閃石は邪魔なモノとなります。
圧碎翡翠を使用する場合、角閃石も作品の一部に使用するか否かは悩ましいことだと思いますが、作品としてはそれはそれでいいかなと思っています。
圧碎翡翠原石(糸魚川産転石)
クラックは少ないがモノが小さすぎ。サイズとしては小指の先くらい。
圧碎翡翠原石(糸魚川産転石)
クラックが多いので素材としては不向き。
圧碎翡翠原石(糸魚川産転石)
色・透明感は比較的良いがクラックが多いので素材としてはチョット不向き。
圧碎翡翠原石(糸魚川産転石)
クラックも少なく素材としては問題ないが、これだけのものは中々探せないのでこのまま残しておきたい原石。
断層翡翠
「断層翡翠」という呼び名を知ったのは翡翠アートを制作し始めたころです。僕が所有している翡翠の中に、原石がズレて形成されているチョット変わった翡翠があることは知っていました。糸魚川のフォッサマグナミュージアムに展示してあるのを見てこの呼び名を知りました。
資料が少なく詳細は不明ですが、翡翠の断層で地殻変動によりズレが生じることで生成されるようです。
当初おもしろ翡翠なので何か作品に使用しようと思っていましたが、大変珍しいものということでこのままの状態で見て楽しむことにしました。
断層翡翠原石(糸魚川産転石)~スライス
断層翡翠原石(糸魚川産転石)~カット
まとめ
ちょっと変わった翡翠はアートの素材には向かないモノが多いなと実感しました。翡翠は個性が強い鉱物な為、ある一定の条件がそろえば素材として十分利用することができます。そこをあえて変わり種で制作する必要があるのか。
糸魚川で見つかる翡翠は、そのままでも十分見て楽しむこともできます。素材として利用することで、本来の石の魅力を失わないように素材を選択することが最も重要なことではないでしょうか。