FiveStone ~赴くままに~

『翡翠 』 でアート作品を制作しています。

糸魚川で見つかる鉱物のはなし

僕が作品に使用している素材、『翡翠』と糸魚川で見つかる鉱物についていろいろお話しします。

今回はちょっと変わった翡翠と希少鉱物について紹介します。

糸魚川

糸魚川石は和名で、鉱物名は「itoigawaite」(イトイガワアイト)。1998年に新鉱物として認可されました。日本で77番目に発見された鉱物です。

紹介する3点の石は糸魚川の海岸で見つけた翡翠ですが、翡翠に点在する僅かな青い結晶部分だけが糸魚川石です。その為、『糸魚川石を含むチョット変わった翡翠』とも言えます。

糸魚川産の翡翠から発見された新鉱物は意外に多く、蓮華石「rengeite」(レンゲアイト)、松原石「matsubaraite」(マツバラアイト)他にも数種類見つかっています。これらの鉱物は外見からは判別できないくらい微細な結晶である為、気が付かず作品に使用している鉱物があるかもしれません。

 

糸魚川石(糸魚川産転石)

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翡翠としては、色味もなく特に綺麗なものではありませが、希少鉱物が含まれているだけで、魅力的な石になってしまいます。

糸魚川石は、翡翠のクラックに入りこむように存在するため、石の表面に面で発見されることは珍しいとのことです。(フォッサマグナミュージアムで簡易鑑定済)

 

糸魚川石(糸魚川産転石)

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これも翡翠としては地味で綺麗なものではありません。

内部の浅い部分に糸魚川石を含んでいます。一見分かりませんが、表面を濡らして何とかわかる状態です。

研磨したり切断するとハッキリわかりそうですが、転石として見つけたままの状態で保存しておくのが僕流です。

 

糸魚川石(糸魚川産転石)

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前述の2点とは艶が全然違いますが、採集した場所や結晶の大きさなどによって違ってきます。青色翡翠に僅かではありますが糸魚川石が含まれています。

コスモクロア

 鉱物名はコスモクロア輝石。日本(岡山)で最初に発見されたのは1996年で比較的最近のはなしです。その後、1998年に糸魚川産のコスモクロアが発見され、新聞報道により僕も存在を知りました。

所持しているものから、それらしいものをフォッサマグナミュージアムで簡易鑑定してもらい確認しています。

 これらの原石の中には、1998年の発見以前に採集したものも含まれています。鉱物の存在を知らないだけで、翡翠を探している人であれば、目にしているかもしれません。

鮮やかな緑で見つけやすいのですが、手にとった瞬間、明らかに翡翠と違うため、興味がなければそのまま捨てられるような石です。僕が所持しているのも類似石として眠っていたものです。

海外ではモーシッシと呼ばれるミャンマー産のコスモクロア輝石が含まれる鉱物が産出されるが、糸魚川産とは雰囲気が違う。

 

コスモクロア【集合】(糸魚川産転石)

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コスモクロアについても、鮮やかな緑の部分だけがコスモクロア輝石となります。

特に磨いていませんが、艶があって黒と緑のコントラストが綺麗な鉱物です。

 
コスモクロア(糸魚川産転石)

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コスモクロア(糸魚川産転石)

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コスモクロア(糸魚川産転石)

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コスモクロア(糸魚川産転石)

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まとめ

ちょっと変わった翡翠のはなし#まとめと同様、アートの素材には向かないモノが多いです。硬度が低いことや特有の形状であること、希少性があるものはそのままの状態にしておくしかないといったところです。

今回改めて思ったことは、作品を制作する為や鉱物を探す為だけに、手あたり次第、原石をカットしてしまうことは如何なものかということ。

僕は、制作の為に原石をカットした際、出来るだけロス少ないカットを多用し、カットでできた小さな欠片を回収してサイズ毎に小瓶で保管している。欠片も数が集まれば素材として使い道があるかもしれない。

そうした手間のかかるやり方で制作することで、時間がかかっても仕方ないか…

制作に関するこだわりなど紹介することはなかったのですが、機会があればまたはなしてみたいです。